時合いを逃すなと言っても時合いというのは突然やってくるものだ。そして一瞬で終わることが多い。でも一般論として時合いというのは「満潮時間前後2時間」と「夜明け」と「夕間づめ」になることが多い。いずれも潮が良く動くので、魚の食いが活発になるのである。私はいつも満潮前後2時間と夕間づめを勝負の時間と決めて、それまでの間はひたすらダンゴを投げて魚を寄せることに徹している。時合いの時間帯をよく考えておかないと、その時間帯にジュースを買いに行っていたり、休憩などしていると時合いを逃してしまい、ボーズに終わってしまうことになりかねませんよ。

時合いを逃さないこと

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  釣っているうちに知らず知らずのうちにフグやカワハギによってハリスが傷付けられている場合も多い。ハリスに傷が付いたまま釣っていて、本命が掛かかり、手前まで寄せてきてプッツリと切れてしまっては悔やんでも悔やみきれないやるせなさを感じるだけである。そうならないためにも、一回一回付けエサを針に付ける前に、針上10cm以内のハリスを触って傷が入っていないか確かめよう。

  釣れた外道によって水底をある程度判断することができる。例えば、キスが釣れたならエサ取りが少なく、水底はほぼ完全な砂地であると判断でき、ベラ,ガシラが釣れたなら水底は沈み根と砂地が混在していると言える。だからベラ,ガシラが釣れる釣り場は絶好のポイントであるのは前述の通りである。うれしい外道としてクエの子ども(30cmぐらい)が釣れる釣り場があるのだが、釣り場としてもA級ポイントであると言える。また、嬉しい外道であるクエの子どもは煮付けにして美味しくいただけるので一石二鳥。

・釣れた外道によって水底の状況を

  仕掛けを流していて根掛かりしないポイントはほぼ完全砂地であると言え、ハワセ釣りも可能である。一方根掛かりするポイントは沈み根混在ということになるが、あまりに根掛かりが多くなると釣っていて嫌になり、紀州釣りのできるポイントではない。でも、少しの根掛かりなら、どの辺りで根掛かりしたのか覚えておき、その沈み根(沈み根と思っていたのがゴミの場合もあるが)をかわしながら釣ればいい。私は少しの沈み根があるポイントをチヌが潜むに絶好のポイントだと考えます。だから、その沈み根の周りを根掛かり覚悟で攻めるのも一度試してみる価値があると思いますよ。チヌゲットの臭いがプンプンします。

・完全砂地か沈み根混在か

  右に投げるとダンゴが着底して割れていない状態でウキが少しシモるのに対して、左に投げるとダンゴが着底して割れていない状態でウキがウキ止めまで移動していないときは、右より左の方が深いということだ。私の場合、そういうときは深い方で底トントンになるようにタナをセットし、浅い方では這わせるという方法をとっている。私の好きなパターンは深い方に投げて底トントンで仕掛けが馴染み、ダンゴが割れると浅い方へと流れるという時である。なぜなら、ダンゴが割れるのをウキで確認でき、割れると同時に付けエサが這う状態になるので、エサ取りをかわしやすく、エサ取りの影で様子をうかがっているチヌに食わせる確率が高いと言えるからである。

  自分が今から釣ろうとしているポイントの水底がどんな状況なのかを知ることは大変重要なことである。その日の攻め方を組み立てるためにも知っておく必要がある。通い慣れた釣り場ならともかく、初めての釣り場ではポイントの周りをくまなく投げて状況判断するようにしよう。そうすることによって、以下のようなことがわかってくる。

・水深の違いを知る

  釣れた外道によってある程度、自分が今、どのタナで釣っているのか判断できる。もし、アジ,グレ,カワハギが釣れたなら、仕掛けが水底から少し浮かされている。でもグレは水底の岩礁に潜んでいるのが一般的で、マキエによって中層に浮いてこないときもあるので一概にはそうとは言い切れない。もし、ベラ,チャリコ,ヘダイ,キス,ガシラが釣れたなら、仕掛けは底トントンか這っていると思っていい。だから、これをもとに自分の釣りたいタナに調整すればいい。ただ、経験上、チヌはベラ,チャリコ,ヘダイ,キス,ガシラと同じタナで釣れることが多い。

  釣り場によって、あるいは同じ釣り場でも日によって、チヌが釣れるパターンは違う。そのパターンを早く見つけることが良い釣果につながる。例えば「底トントンが良いのか」,「底上が良いのか」,「ハワセが良いのか」,「早くダンゴを割ったら良いのか」,「割るタイミングを遅らせたら良いのか」,「遠投したら良いのか」など、その日のチヌが釣れるパターンをいち早く見つける努力をし、見つかれば、そのパターンをしばらく続けることが大事。

  流し時に道糸にテンションを少し掛けることによって付けエサが止まったり、フワーと少し浮き上がったりして、チヌにとっては絶好の誘いとなることもある。あくまでも付けエサは自然な流れを演出するのが一般的なので、こういう方法もあるというくらいに押さえておいてほしい。ただ、この誘いの直後にチヌが食ってきた経験も何度かしているのも事実である。

仕掛けが馴染んでダンゴが割れると同時に1mぐらい道糸を出し、道糸にテンションを掛けないようにする。それを繰り返し、5mぐらい流してから仕掛けを回収する。そうすることによって付けエサとダンゴの濁りを同調できる。

・割れてからの道糸の出し方

  ダンゴ着水後に道糸が大きな弧を描くことなく出していくためのポイントは「張る直前に出していく」の繰り返し」である。投入してダンゴが着水するまでに投入してからすぐには道糸は出さず、ダンゴが沈んでいく途中で道糸にテンションがかかる直前に少し出す。そしてまたテンションがかかる直前に少し出す。ダンゴが着底してからは潮流や風によって道糸が少しずつ引っ張られるので、ダンゴが割れるまでそれを繰り返す。私は道糸を出すのは50cmぐらいずつと決めている。そうすると道糸は潮流や風の影響を受けにくく、うまい具合に仕掛けが馴染んでいく。この一連の操作中は竿を下向けにし、竿先を水面近くにしておくことを忘れずに。、また、ダンゴ投入後着水までに竿を風上に戻し、なるべく道糸を風上にもっていくようにするのは言うまでもない。

・割れるまでの道糸の出し方

  潮流や風によって道糸が引っ張られ、ダンゴも引っ張られて思わぬポイントで割れてしまったり、割れた後の仕掛けもダンゴの濁りからどんどん離れていき、思うような釣りができないということを誰しも経験したことがあるだろう。特に横風が強いときは釣りにならない。そういうときは追い風となる場所に釣り座を構えることで解消される。でも、どうしても追い風となる釣り座が見つからない場合は道糸の操作によってずいぶん解消できる。実は潮流が遅いときや風が弱いときも道糸の操作をすることによって、釣果がだいぶ違ってくると私は思っています。道糸の操作を全然意識していない人は以下の道糸の操作をマスターして実践してみよう。

  ダンゴが着水した直後に水面に竿先をつけて道糸を出すのはいいが、一気にいっぱい出す人がいる。これは大迷惑。というのも、竿下にたるんだ道糸が潮流や風によって引っ張られ、大きな弧を描いてしまうと、道糸が隣の人が釣っているポイントまで膨らんで邪魔をすることになる。隣で釣っている人にこんな嫌な思いを何回させられたことか。道糸を回収してくれるまでひたすら待たなければ私は次のダンゴ投入ができないんだから。
  もちろん、道糸が大きな弧を描いてしまうと他人の迷惑になるばかりではなく、チヌが釣れることも少ないでしょう。もしダンゴが割れていないなら、道糸によって仕掛けが引っ張られてウキがシモり、ダンゴが割れたときにはとんでもないところからウキが出てくるときがある。もしダンゴが着水してすぐに割れたとしても、仕掛けが道糸に引っ張られ、ダンゴの濁りから付けエサが一気に離されていく。いずれにしても本命が釣れる確率は低いということだ。そしたらどうしたら良いのか? それは「割れるまでの道糸の出し方」,「割れてからの道糸の出し方」を参考にしてほしい。 

・ダンゴ着水直後は一気に出すな

道糸の操作

  水底でエサ取りが多いとき、付けエサを這わせるのが主流であるが、私は発想の転換をしてみた。その発想の転換とはこうである。「ダンゴ着底1m前ぐらいで割って付けエサがフワーとゆっくり沈んでいくように設定する。そうするとエサ取りはダンゴに興味を示しているために着底までダンゴにまとわりついていく。そうするとダンゴがすでに割れて露わになった付けエサは濁りの真っ直中にあるので、エサ取りの注意をそらし、補食が苦手で遠くから様子をうかがっていたチヌに食わせるという具合である。そうやって私が釣り上げたチヌは数知れない。もちろん、エサ取りにやられてそんなにうまくいかないことも多いが、一度、お試しあれ。

  ダンゴを投入してから、「水中でのダンゴの割れ状態がどうなのか」、「割れるまでの道糸がどんな張り具合なのか」、「割れた瞬間の付けエサが底から何cm浮いているのか」、「割れてからの仕掛けがどう流れているのか」、「付けエサはもうなくなっているのか」、など常にイメージしながら釣ることが重要である。最初はイメージ通りにいかないことが多いけれども、イメージと実際がどう違うのか検証していくことで、だんだんイメージ通りにできるようになってくる。そうなってくると、知らず知らずのうちにかなり上達していると思います。良い釣果を得ている日が多くなったと感じるでしょう。潮流や風の影響を受けるとイメージしにくいですが、イメージするよう是非心掛けて下さい。

  前述の「付けエサの取られるタイミング」を特定せず、付けエサがない針だけを無駄に仕掛けを流している人も腹が立つけど、エサ取りが少ない時に付けエサが残ってくることが多いからといって、いつまでも流し続けている人をたまに見掛けるが、これもまた感心できない。なぜならチヌが釣れるのはダンゴが割れる瞬間が圧倒的に確率が高く、割れてからしばらく流していてもダンゴの濁りと付けエサが同調できていないことが多いので、そういうときに掛かってくる魚はボラやチャリコ,キスなどの外道が多い。本命の釣れる確率はほとんどないといってもいいだろう。そんな確率の低い釣りをするより、手返しを多くし、割れる瞬間の回数を多く演出した方が確率の高い釣りができる。私の場合、割れてから「5m」か「20秒」を基本としている。

ポイントの周りをくまなく投げて状況判断

ハリスに傷が入っていないか

・エサ取り少ない時も割れてからあまり流すな

・ダンゴを途中で割る

・誘い

釣れた外道によってタナ違いを調整する

釣れるパターンを早く見つける

・水中でのダンゴや仕掛けのイメージをする

ダンゴと仕掛けの相関関係 道糸の操作 釣れるパターンを早く見つける
釣れた外道によってタナ違いを調整する ポイントの周りをくまなく投げて状況判断 ハリスに傷が入っていないか
時合いを逃さないこと

  今流行の「はわせ釣り」はあくまで上級者の釣方である。紀州釣りまるわかりページの「理想的な割れ」を演出できるようになるまでは底トントンにタナを合わし、ダンゴがいつ割れたかウキで確認するようにしたい。そして、割れてから付けエサがどのタイミングで取られているのか確認する。その方法とは、「割れてから1分間アタリがないので仕掛を回収してみると付けエサがなくなっていたとすると、割れてから30秒後に回収する。それでも付けエサがなくなっていたら、10秒後に回収する。そうやって回収時間をだんだん短くしていき、付けエサの取られているタイミングを特定するようにしよう。特定できたら、その時間以上は流さずに仕掛けを回収するようにする。要は付けエサがなくなっている針だけ流しても魚は釣れないということである。こんな無駄な時間を過ごしている人が実に多いのである

  紀州釣りは「投げてなんぼ」だと私は思っている。多く投げれば投げるほど寄ってくる魚の数も多くなってくる。だから他人の釣り方を見ていて一番腹が立つのは「着底までにダンゴが割れても投げ直さない」人がいることだ。ダンゴが途中で割れてそのまま流し続けても、濁りと同調できていないので、付けエサが着底までにエサ取り(主にフグ)に取られていることが多く、アタリも出にくいために無駄な時間を過ごすことになる(付けエサがないと釣れない)。だから、面倒くさがらずに手返しよく、根気強く、投げる回数をなるべく多くした方が良い釣果につながると思いますよ。

  紀州釣りをしている人にとって一番こだわるのは何と言ってもダンゴであろう。でも、ダンゴの材料にばかり気をとらわれ過ぎて、ダンゴが割れてからの仕掛け(道糸など)の処理がおろそかになっている人が多いと感じる。

・手返しよく

ダンゴと仕掛けの相関関係

  釣れればそれで満足、釣れなかったら「ポイントが悪かった」など言い訳をする。そういう心構えでは上達するはずはない。チヌが釣れても「今日たまたま釣れたかもしれないので、工夫次第でもっと釣れただろう。」、釣れなかったら「何が悪かったのか反省して、次の釣行に生かそう。」という謙虚な気持ちを常に持ち続けることが大事であり、もちろん自分なりのこだわりを持つことも大事である。以下、私が釣行時に他人の釣りを見ておかしいと感じたこと、私がこだわっていること、私のちょっとしたテクニックなどを紹介するので、釣果1匹以上のためにも参考にしてほしい。

・付けエサの取られるタイミングを特定し、無駄に流すな

釣果1匹以上のために